第3章 新タ×ナ×目的
「ナタリー! 私これがいいです!!」
「そんなに興奮するなんて。 何がほ……」
私に追いついたナタリーとゴンは、私が指差している物を覗き込んだ。
「……まさか、芋が欲しいの?」
「こっちの芋の方が美味しいよ! オレのおすすめ!」
「ゴンのおすすめなら買う!」
そう、私は野菜の売場で芋を指差している。
ナタリーは「本当に? 芋なんかでいいの?」という表情だったが、ゴンの発言で直ぐに考えを変えたようだ。
「ありがとうございます」
ゴンがおすすめしてくれた芋は初めてみる種類だった。
というか、ほとんど全て初めて見るものなのだが。
私の欲しい物も買い終わり、ナタリーは満足そうな顔をしている。
「今日は楽しかったよ、ゴン。 またねデートしようね!」
「オレも楽しかったよナタリーお姉さん、ニーナお姉さん! それじゃあまたね!」
「またね、ゴン」
ゴンと別れた後は宿に戻ることにした。
ベッドに腰掛けると、急に眠気に襲われる。
まだ寝るには早い時間だが、自分が思っていたよりも大分疲れているようだ。
今日の出来事を振り返ってみると、なかなか忙しい一日を送っている。
エッダ姉様達が村を発った時はお昼後だったが、私の時は早朝だった。
その為いつもより早起きをしている。
この早起きだけで大分疲れた。
その後は数時間走り続け、船で数時間揺られながら料理をし、男(子ども)とも会話をしてデートもした(付き添い)。
初めてのことだらけで身体面だけでなく精神面でも相当削られた。
「ナタリー…私もうここから動けません」
「ふふっ、疲れさせちゃったね、ごめん。 今日はありがとう。 ゆっくり休んで」
「いえいえ、こちらこそ……」
「? あれ、寝ちゃった」
襲ってくる睡魔に勝てず、眠りに落ちてしまった。