第3章 新タ×ナ×目的
「ゴン! 今日は美味しいものを食べて、その後は買い物しよ!」
「うん!」
ゴンという男の子を言葉で表現するなら、「好奇心旺盛、活発、素直」だろうか。
ゴンと話しているナタリーはとても楽しそうだ。
ナタリーはすっかり私の存在を忘れてゴンと夢中で話している。
私も芋の事になると我を忘れる事があるので、それと同じようなものか。ならば仕方ない。
2人の後ろから町並みの景色を楽しむことにしよう。
しばらくして目的の場所へ着いたのか、ナタリーに声をかけられた。
「ここがおすすめの食事処よ! 2人には絶対食べて欲しいスイーツがあるの!」
「わあ! 楽しみ」
「食べ物!? それは楽しみです!」
ナタリーに連れてこられた食事処で、私とゴンは美味しいスイーツをご馳走になった。
初めて見る鮮やかで冷たいスイーツというものは凄く美味しかった。
食事を終え、次は店が軒を連ねる通りへと向かう。
「おお!」
初めて見る物の数々に、私は忙しなく視線を動かす。目が足りない!
私の隣では同じくゴンが興味津々に商品を眺めている。
「2人とも好きなものを選んで! 私からのプレゼントだから!」
「え、いいの!?」
「いいよいいよ! 好きなのを選んでね。 ニーナも遠慮しないで」
っとナタリーに言われたものの、食べ物以外の物を欲しいと思った事がなく困ってしまった。
とりあえず2人の後を着いて行く事にしよう。
「あ!」
ゴンが1つの店の前で止まる。
彼は装飾品みたいな物を手にする。
「ゴンはこれが欲しいの?」
「うん!」
ナタリーがお勘定を済ませゴンに振り向くと、
「ナタリーお姉さんへの御守り! 海には色々な危険があるって聞いたから…」
「嬉しいっ…ありがとう! ゴン!」
満面の笑みで御守りを差し出したゴンに、ナタリーは本当に嬉しそうだった。
涙さえ浮かべている。
ひとしきり喜び終えたナタリーは私へ声をかける。
「さ、次はニーナの欲しいものを買おう!」
「うーん」
どうしたものか。
今まで見てきた店では、興味深いとは思っても欲しいと思う物は無かった。
私もゴンと同じようにナタリーへの物を選ぼうか…
うーん…と周りの店を眺めながら悩んでいると、食物が所狭しと並べられている通りを見つけた。
市場だ!
私はすぐさま駆け出し、ある売場の前で止まる。
