第26章 軍艦×デ×脱出
24時間後にこの島から脱出しないといけない。
しかし、ゼビル島へ着く前に再びあの嵐に巻き込まれてしまう。
あの嵐を乗り切れる丈夫な船があれば……
「船ならあるよー! この船があるじゃない!」
「バカ言ってんじゃねーぞゴン。 こんなのただの鉄の塊ねェか」
レオリオの言う通り、岩肌に3分の1ぐらい埋まっているこの軍艦が果たして船として機能するのかどうか___
「エンジンが生きている?」
キルアが見せたいものがあるというのでついて行くと、そこにはチカチカと光を放っている機械がずらりと並んでいた。
「ホントにこんなものが動くってのか?」
「オレに分かるわけねーじゃん」
「いや、可能性はある。 浮力さえ付いてこの岩場から離れられれば」
つまり船が埋まっている岩場を壊せばいいのかな?
「発想の転換ってやつだな。 城から逃げるんじゃなくて、城ごと動かす……間違いない、これがこの試験の答えって気がするぜ」
ハンゾーの言ったこと、やっぱりヒソカは正しかった。
「問題は第二波までにその作業を終わらせられるかだ」
『岩を壊すなら私出来るよ』
手を挙げて申し出る。 が、
「ニーナの協力は助かる。 しかし、この試験で君の存在はイレギュラー。 試験管補佐が試験に干渉するのは禁止行為だとあの手紙にも書いてあっただろう」
『あ~そういえばそうだった~』
そんなことまで書いてあったのか!
まぁそれはそうだよね、本来なら私はここに居ないはずだったし。
あの岩場を壊してこの軍艦を動かすのも試験の内に入っている。
「オレ達頑張るから!」
少し寂しさを感じるが、ゴン達の活躍を見守ろう。
彼等が立てた軍艦島脱出計画はこうだ。
大砲で岩場を壊し、出来た亀裂に海水が乱入する勢いで船を岩場から浮き上がらせるというもの。
その為にはメインエンジンを動かす必要があり、エンジン修理はポックルとポンズが。
船のスクリューに絡まっている海藻はゴンとキルアが。
他の受験生達は船を固定している周りの障害物の除去を担当することに。
甲板で皆が忙しなく動くのを眺めて数時間、空が赤く染まり始めた頃、先程まで穏やかだった海が再び荒れだした。
そういえばレオリオが海に沈んでいる砲弾の回収作業をしているんだっけ。 大丈夫かな……