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覇者×ト×敗者

第25章 ドキドキ×ワクワク×試験管補佐


「オレは全然疲れてないよ! キルアに釣りのやり方教えてるから、時間ができたらニーナもおいでよ!」

ゴン、誘ってくれるのはすごく嬉しいけれど……

「……」

君の隣でキルアが嫌そうな顔をしてるんだよッ。

『時間ができたら絶対に行くよ……』

ごめんゴン! 行くつもりないのに嘘ついてしまった!
多分キルアは同年代のゴンと遊びたいんだろうな。

ゴン達と別れ、先に船内に入っていたバナーさん達を探しに行く。
その途中で、レオリオと会った

「お、ニーナ!」

『レオリオさん。 どうかされましたか?』

「レオリオでいいって。 特に用はないんだが、よければ話でもって」

にかッと笑みを浮かべるレオリオ。
ゴンとおしゃべりできそうにないし、暇になったらすることもなかったので快諾した。

「なにか手伝いが必要だったら遠慮なく言ってくれよな」

『ありがとうレオリオ』

ゴンの友人なだけあって良い人だな。
それじゃあまた後で、と別れようとしたその時、
バンッ! と何かが殴られる音がした。
急いで音のした先へと急ぐ。

「その眼鏡は飾りモンかよ!」

「い、いえ……」

「じゃあなんであんな安モンのペンダントひとつ拾っただけのクラピカと同じ部屋なんだ!」

あの毛のない男がジナーさんに詰め寄っていた。
話の内容からして、割り当てられた部屋が気に入らないらしい。

すぐさま男とジナーさんの間に割って入り、ジナーさんを威嚇するかのように壁に置かれていた手を払う。

「なんだテメェは」

『用心棒だ。 このまま続けるのであれば、歩けなくなる覚悟はしてもらう』

「そっちがその気なら」

「待った待った!」

今度はレオリオが私と男の間に割って入った。

「部屋が気に入らないなら変わってやるぜ? 日当たり抜群の一人部屋だ」

それを聞いた男はコロッと表情を変え、レオリオにお礼を言ってその場を立ち去った。

「部屋ひとつで殺し合いが始まるのかと思ったぜ」

御老人相手の男の態度が気に入らなくて、きつい言い方をしてしまったのは私が悪い。
それを穏便に済ませてくれたレオリオには感謝だ。

「よろしいので?」

ジナーさんがレオリオをきょとんと見つめる。

「あぁ、ルームメイトにちょいと野暮用があるんでね」

『レオリオ、ありがとう』

「いいってことよ」

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