第25章 ドキドキ×ワクワク×試験管補佐
現物で払えるということを知った受験生達は、それぞれ難破船でお宝探しをし、無事部屋を借りることができていた。
部屋の鍵を受け取ったゴンがこちらへ向かって走ってくる。
「ニーナー! 久しぶりだね!」
『久しぶりねー!』
ゴンを胸に抱いてくるくるとまわる。
「ねーねー、どうしてニーナはここにいるの? ハンター試験はどうだった?」
『色々あったけど無事合格できたよ! ここへは試験管補佐として来たんだ』
「おめでとう! ニーナなら絶対受かると思ってたんだ!」
『ちょっとやめてよ~』
「……」
ふと視線を感じてそちらへ目を向けると、真っ白な髪の少年が少しムスッとしてこちらを見ていた。
『ゴン、この子は?』
「あ! 新しく出来た友達のキルアだよ! ハンター試験で仲良くなったんだ」
『初めまして、ニーナです。 よろしくね、キルア』
笑顔で挨拶をしたが、キルアは私に興味ないとばかりに適当な返事をする。
「どうも」
……な、生意気な子だ。
姉様達にこんな態度で接したら木に逆さ吊りにされてしまう。
しかし私は気付いてしまった。キルアが私に素っ気ない理由が。
ゴンと話している時はとても楽しそうにしてる……つまり、
嫉妬か。 可愛い奴だ。
「あ! ゴン、おめェいつこんな綺麗なお姉さんと知り合ったんだ?」
先程ゴンと一緒にいた他の2名が合流する。
「レオリオ、クラピカ、こちらはニーナ。 1年ぐらい前にくじら島で出会ったんだ! ニーナはハンターなんだよ!」
いや、確かにハンターだけどちょっと恥ずかしいからそんな大声で言わないで。
「スゲェな……こんなに可憐なお嬢さんが……」
「人は見かけによらないものだ」
『初めまして。ニーナです』
「おっと名乗り遅れちまった。 レオリオだ、よろしくなニーナ」
「クラピカだ。 よろしく」
『よろしくお願いします。 試験お疲れ様です。 皆さん部屋でゆっくり休んでください』
挨拶を済ませた後、試験で疲れているであろうから一旦ここで別れることにした。
私には試験補佐の仕事もあることだし。