第23章 対戦×デ×苦戦
「!」
今までは私が主に攻めていたが、今度はヒソカの方から向ってきた。
攻撃を避けつつ反撃の隙を窺う。
ある時、ヒソカの手が首元に近づいた。
その瞬間、セラが言っていた私の未来のことを思い出し、過剰反応を起こしてしまう。
咄嗟に両腕で首元を守るも、ヒソカの目的は首ではなく私の口だった。
片手で口を掴まれ、そのまま持ち上げられる。
「んん゛ッ」
「イイねェ……♥」
「ッ!!」
ヒソカの狂気染みた表情にゾッとした。
メキメキと骨が軋む音がする。
一刻も速くこの男から離れないと____顎を砕かれる!
宙に浮いている足を揃え、ヒソカの胸元を蹴り飛ばす。
「さて、これから君はどうやってボクを倒すんだい?」
一体何を言ってるんだこの人は。
「もう同じ手は使えないよ? くっくっく♣」
え?……どういう____
「んん!? んー!!」
口が開かない!なんで!!
戸惑っていると、観客席から怒鳴り声が聞こえてきた。
「凝!!」
そ、そうだッ、凝!……エッダ姉様怖いよ。
慌てて凝を行い、口元に目線を落とす。
良く見えないが、何かが付着しているように見える。
……何これ。
それだけでなく、縄のようにヒソカの手元に繋がっていた。
戸惑いながらもなんとか口を開こうと奮闘していると、口元が引っ張られた。
これ以上引っ張られてなるものかと踏ん張るが……口が痛い!!
踏ん張れるがとてつもなく引っ張られている口元が痛いのだ。
一瞬、痛みで膝をついてしまうが、その間も引っ張られ続けている。
不恰好だが、両手を床について耐える。
力みすぎて石版を砕いてしまった。
そうだ!
この砕いた石版の欠片をヒソカに投げられれば隙をつくれる!
砕いた欠片を片手に隠し持ち、ヒソカとの距離を一気に詰める。
拳が来ると思っていたヒソカに、手の中で砕いた石礫を投げつけた。
「!?」
これは予想外だったにも拘らず、ヒソカの野郎はいとも簡単に避ける____が、避けた先から迫る私の拳に反応することは出来なかったようだ。
「クリーンヒット!! 1ポイント、ニーナ!!」
1ポイント貰い!
審判の鼓膜も大丈夫そうでひと安心。
……と、順調だと思われたのはここまでだった_____
この後同じ手を食らわないヒソカに大苦戦し、ボッコボコにやられ、気付いたら病院のベッドの上にいた。
