第23章 対戦×デ×苦戦
ファイトマネーで買ったジュースをベンチで飲んでいると、窓口の従業員と話していた姉様が戻って来た。
「ニーナ、180階に行くあんたには個室が割り当てられる。 今日からはそこで寝泊りするように。 それとさっきの試合で無傷だったからもう1戦組まれるそうだ。 明日には200階にいけるだろう」
「はい!」
「それじゃあ私は帰るよ」
姉様と別れ、次の試合に呼ばれるまで暇なので自分に割り当てられた部屋を見てこよう。
「これ、苦手なんだよなぁ…」
部屋へ向うには恐怖のエレベーターに乗る必要がある。
階段もあるが、何十階も階段で上がるのは少し面倒だ。
はぁ…と溜息を吐きながら乗り込む。
「やあ❤︎」
「ぎゃッ!?」
「相変わらず情けない叫び声だねェ…」
「ヒソカ!?」
「久しぶり♪」
ヒソカがここに出入りしていることは知っていたけど、こんな突然遭遇するとは…
心臓に悪い。
「一気に180階まで上がれるなんて、やっぱり君はボクが見込んだ通りだ❤︎ 明日にはもう200階へ上がれるんじゃないのかい?」
「はい、多分……」
ついさっきまではヒソカと戦うことに対してなんの抵抗もなかったが、いざ本人を目の前にすると少し気後れしてしまう。
「随分と成長したみたいだね。 君が念を習得できて嬉しいよ❤︎」
「……」
ねっとりとした視線に背筋に悪寒が走る。
なるべくヒソカを見ないように、ドアの上部に表示されている階数を注視する。はやく180階に着きますようにと祈りながら。
「180階でございまーす」
やっと着いた!
「200階クラスでまってるからね❤︎」
「は、はい……」
「バイバイ❤︎」と笑顔で手を振るヒソカを見送り、自分の部屋番号を探す。
「ここか」
中は豪華絢爛……とまではいかないが、そこそこの広さがあり過ごしやすそうだった。