第22章 姉様×ノ×能力
「私がどの系統に属しているのかどうやって調べるんですか?」
「水見式という方法で知ることが出来る。早速やってみよう。ニーナがどの系統なのか私も気になるからな」
「?」
テーブルにコトンと置かれたのは水が入ったコップ。水には一枚の葉っぱが浮いていた。
「コップに手を近づけて、練をやってみてごらん」
言われた通り、両手をコップに近づけ練を行う。
「水が……溢れてる」
「ニーナは強化系か」
私は強化系らしい。
姉様から他の系統がどのように変化するのかも教えてもらった。
強化系は水の量が変わる
変化系は水の味が変わる
具現化系は水に不純物が出現する
放出系は水の色が変わる
操作系は葉が動く
特質系はその他の変化が起こる
「アマゾネスと強化系は相性が良い」
「そうなんですか?」
「ああ。己の力の強さと上手く合わせることが出来れば、力勝負でまず負けることはない」
すごい!強化系!
「エッダ姉様の系統はなんですか?能力がふたつあるんですよね?もうひとつは飛行船で見たあれですよね?あの能力も仕事で使うのですか?」
「頼むから少し落ち着いてくれ」
「はい!」
スイーツを頬張りながら、私は姉様の話に耳を傾けた。
「まず私の系統だけど、当ててみて」
姉様のコップにはどんな変化が出るのか眺めていると、湯気が立ち始めていた。
ゆらりゆらりと立ち昇る湯気とともに、どこか懐かしい香りも漂っていた。
「これは、その他の変化に当てはまるから特質系ですか?」
「正解」
「私は特質系念能力者。さっきの"捜索者"(シーカー)が特質系の能力。そして、ニーナが飛行船で見たのは具現化系、操作系、放出系を併せた能力、"彷徨う花嫁"(ナイトレイス)。主に護身のために作った能力だよ」