第22章 姉様×ノ×能力
自分を危険から守ってくれる能力も作れるんだ。
確かに、あんなお化けがうろついてたら近づきたくはないよね。
姉様が死霊を操るネクロマンサーじゃなくてほっとした。
「複数の系統を併せることも出来るんですか?」
「もちろん。併せればより複雑な能力を作り上げることも可能になる。ただし、自分と相性の悪い系統の修行は膨大な時間を必要とするし、必ずしも会得できるとは限らないから慎重になる必要がある」
難しそうだし私には無理そう。
どんな能力にしよう……そう考えた時、ある願望が浮かんだ。
ずっと故郷で小さい小さいと言われ続けた私は思った、大きくなりたいと。そう、
巨人になりたい
と。
でも笑われちゃうかなぁ……
思い切って姉様に巨人になれる能力は作れるのか聞こうとした時、あっと思い出したように姉様が私に視線を寄こした。
「クロロは捜している兄の写真を持っていなかったか?それで捜せる」
クロロのお兄さん捜しに協力してくれる!
自分達と同じように兄を捜してるからやっぱり放っておけないのかもしれない。
巨人の話はまた別の機会にしよう。
「いえ、事情があって名前も言えないそうです。大柄で戦闘好きとだけ。だから天空闘技場へ捜しに来たと。これがクロロの番号です」
姉様が協力してくれるなら、直接本人と話した方が良いと思い番号を渡した。
「一度直接会って話してみるよ。ニーナ、相手に私のことを話さないでくれてありがとう」
「い、いえ……」
勝手に話すのは良くないと思ったからそうしただけで、感謝される程のことだとは思わなかった。
でも、姉様にとって迷惑にならなかったのなら良かった。
「さて、クリアして欲しい試練は後2つだけ。1つは発の修行。水がコップから勢い良く流れ出る様にすること。もう1つは"凝"を習得すること。このふたつを1ヶ月でクリア出来ればヒソカとの戦闘許可をだす」
「はい!」
「発の修行は、水見式での変化がより顕著になるように鍛錬すること。"凝"は、練を体の一部に集中させること。今回は目にオーラを集められるように。そうすればこれが見えるようになるから」
姉様はそう言って人差し指を立てる。
当然だが、今は何も見えなかった。