第22章 姉様×ノ×能力
クロロが探している人物は、戦うのが好きで大柄な男だそう。
だから天空闘技場へ捜しに来たんだ。
「突然連絡が取れなくなって……彼がいそうな場所を当たってるんだ」
「そうなんですか……」
なんだかエッダ姉様と境遇が少し似ている。
人捜しなら姉様が力になってくれると思うけど、勝手に姉様のことを話すのは良くない気がした。
姉様は今留守にしている。
帰って来たら、クロロの捜している人を見つけられないか相談してみようかな。
「いつまでこの街にいる予定ですか?」
「あと3日はいる予定だけど……」
その間に姉様が帰ってくるとも限らないしなぁ。
そうだ!電話番号を聞いておけばいいのか!
「良かったら電話番号を教えて下さい。私は頻繁にここへ来るので、それっぽい人を見かけたら連絡します!」
「ありがとう」
クロロは内ポケットから手帳とペンを取り出し、スラスラと紙の上にペンを滑らせる。
そのページを破りとって渡してくれた。
「よろしく頼むよ」
「はい!」
紙を覗き込むと、クロロの名前らしき文字と電話番号が書かれている。
そうだ、捜し人の名前も聞いておかないと。
「捜してる人はなんてお名前ですか?」
「彼の名前は事情があって言えないんだ。すまない」
名前を言えない事情って、一体何が……?