第21章 不吉×ナ×予知
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「今日は“叫び”を貴様達に教える!!」
叫び?
叫びって叫ぶの?
それがどう戦闘に役立つの?
「今から手本を見せる。貴様達は耳をしっかり塞いでいろ。鼓膜が破れた者は二度と訓練を受けられないと思え」
「「「「はい!」」」」
えぇええ!?怖い怖い怖い!
鼓膜が破れるなんて想像しただけで恐ろしい。
今なら抜け出せる。
そっとその場を離れようとしたとき、誰かに右肩を強く掴まれた。
「馬鹿!はやく耳を塞げ!」
ジェンに怒鳴られて反射的に耳を塞いだ瞬間、頭部を鈍器で殴られた様な衝撃に襲われた。
視界がぐにゃりと歪んでぐるぐる回る。
頭の中を掻き混ぜられている様な感じだ。
気持ち悪くて吐きそう。
頭がッ……割れる!!
自分が今立っているのか地面に膝をついているのか、目を開けているのか閉じているのかさえ分らない。
体のあらゆる感覚が失われていくみたいだ。
今耳に手を当てているのかさえ分らない。
ちゃんと耳を塞がないとッ!
そう焦っても、自分が今どんな状態なのか全く分らない。
どんどん増していく不快感と吐き気に対処するので精一杯。
「うッぁあ……」
「皆良く耐えたな」
「……おぇッ」
まだ治まっていない吐き気を堪えて目を開くと真っ暗で何も見えなかった。
顔の直ぐ近くから土の匂いがする。気付かぬうちに地面に倒れ込んでいた様だ。
そして何かに押しつぶされている様な圧迫感を感じる。
一瞬、鼓膜ではなく眼球がやられたのかと不安になったが、誰かが私に覆い被さっているだけだった。
「何故途中で耳から手を離したんだ。馬鹿なのか?」
「……え?」
途中から何も分らなくなっていたので全く気付かなかった。
ジェンはそれに気付いて助けてくれたんだ。
「あ、ありがどぉ」
「泣く必要ないだろ」
「今のが“叫び”だ!手も足も出せない時に大いに役立つ!これからひとりずつ指導していく。ニーナ、こちらへ」
何で!?何でよりによって私なの!?
さっき逃げようとしたから!?バレてた!?
恐る恐る隊長の前まで来ると、全力で叫んでみろと言われた。
ので、吐かない様に注意しながら、
「わぁああーー!」
と、叫んだら、
「呼吸の仕方からなってない!!」
「ッごふ」
と、腹に掌底打ちを食らって吹き飛ばされた____
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