第21章 不吉×ナ×予知
「エッダ姉様はどれくらいで戻ってくる予定なの?」
「短くて1週間、長くて一ヶ月留守にするんだけど……毎回仕事によって変わるから分らないや。姉様が帰ってくるまで泊まっていきなよ!」
セラとジェンはエッダ姉様に挨拶をしてから出発しようと考えていたが、いつ帰ってくるのか分らない為、また近くに寄った時会いに来ると言った。
「2人も一緒に修行しようよ」
「私にはもう師匠がいるのよ……ごめんね、ニーナ」
「そっかぁ……ジェンは?まだ師匠いないでしょ?」
「エッダ姉様に修行をつけてもらえるのは嬉しいことだが、私はきっと甘えてしまうから……すまない」
え?ジェンって、人に甘えたりするの?
そんな姿見たことないけど。
「なんだその目は」
「いえ、なんでもありません……ぶふッ」
「………」
「あ"ーー!!痛い痛い!!」
背後に回りこまれ、これでもかと腕を後ろ向きで持ち上げられる。
「か、肩が外れるかと思った……」
「それじゃあ元気でね、ニーナ」
「エッダ姉様によろしくな」
いやいやいや。ちょっと待って。
何で何事もなかった様に出て行こうとしてるの。
あ、そおいえばジェンに聞きたいことがあったんだ。
「ちょっと待って!ジェン、聞きたいことがあるんだけど」
「何?」
「私、近いうちにある人と戦うんだけど、そいつかなり強いんだよね……文字通り手も足も出せない程に。何か必勝法とかないかな?」
「ニーナ、その頭は飾りで付いてるのか?」
キィーーーッ!!
腹立つ言い方!だけど何も言い返せないッ。
このまま何もアドバイスをしてもらえないと思っていたが、ジェンは溜息を吐いて話し始めた。
「使えるのは手と足だけじゃない。村での訓練を思い出せ。手も足も出せない時、どうするのかを」