第21章 不吉×ナ×予知
「次はニーナね。何か見えるといいけど」
「ンフ、ウフフッ」
「その気持ち悪い笑い方止めてくれないか」
そんなこと言われても、ドキドキして笑いを抑えられないのだ。
ジェンの時と同じ様に肩に手が添えられた。
私に向き合ったセラが閉じていた目を開き、白い眼に私の姿を捉える。
「____ニーナッ!!」
「ッあぐ、うッ……」
「セラ!?」
私の名前を叫んだかと思えば、突然両手で首を押さえられた。
セラの腕を掴んで引き離そうにも、息が苦しくて上手く力が入らない。
「セラ!ニーナを離すんだ!」
幸い、ジェンがセラを引き離してくれたお陰で窒息死は免れた。
「うぇッ、ゴホッ…ゴホ」
「一体どういうことだ、セラ。何を見た」
私から引き離されたセラは、自分の両手を見つめたまま震えていた。
「ニーナが、……ニーナが、死んでた……」
______え?
聞き間違いだろうか。
私が死んでた?
_______嘘ォオ!?
「え、えぇえ……」
生き物ならいつかは死ぬけどさ、多分そういうことじゃないよね?
聞くのが怖いけど、セラに詳しく話を聞かなければ。
「あ、あのさ……それって」
「詳しい話は後だ。場所を変えよう」
そうだ。
ここには多くの人が行き交っている。
今ので注目を集めてしまったのもあるが、この内容は他に人がいない静かな場所で話し合わなければ。
「エッダ姉様のお店へ行こう。こっち」
2人を連れてお店へ向う。
談話室へ案内し、落ち着くために水の入ったコップをそれぞれに手渡した。
水を飲んで少し気分が落ち着いたところでセラが話し始める。
「私が見たのはニーナの未来だと思う」
“思う”
なんか引っかかる言い方だ。
「未来なのか過去なのか良く分からない。でも、“普通”の“死”が現れるのは未来だけ。馬鹿な質問だって分ってるけど敢えてする。ニーナ、今までに死んだことある?」
「いや、ないけど……ぶふッ」
「笑うな」
「あだッ」
ジェンに背中をバシッと叩かれるが、こんな可笑しな質問をされたら笑ってしまうのが普通じゃない?
私が可笑しいのかな……
「じゃあ、やっぱりあれは未来……ニーナ、貴女は首に致命傷を負って息絶える_____」