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覇者×ト×敗者

第21章 不吉×ナ×予知


その日から、姉様が在宅の時は談話室か自室で練の修行を行い、留守の時は天空闘技場へ見張りに向かうのが日課になった。

纏の修行の時と違うのは、見張りをしている間は練の修行が禁止ということ。
練は周りの人間に影響を及ぼすからだそう。
その代わり、ヒソカを打ち倒すための作戦を練ることに時間を費すよう言われた。
姉様が仕事で留守にしている現在、私は天空闘技場前のベンチで作戦を練っている。

「う〜ん」

何も浮かばない。
以前ヒソカと交戦したとき、奴に蹴りを入れることが出来たのは一瞬の隙を突いたから。
例え念が使えても、ゲンドラの時みたいに攻撃を受け止められては意味がない。
何とかして隙を作る必要がある。

「はぁ」

でも1対1の試合でどうやって隙を作れば?
もし、練の修行が終わるまでに姉様が納得出来る作戦を思いつかなければ、ヒソカとの戦闘許可を出す条件に、"私との戦闘で勝利"を追加すると脅さ……告げられた。

私は正面から殴り込むのが好きだ。
その為、今まで作戦など立てたこともなければ、考えたこともない。
そういえば、ジェンは作戦を考えるのが得意だった。
戦闘技術も同期の中ではトップだったし。
ジェンがいてくれたらな……
皆元気にやってるだろうか。セラにも会いたいな。

「はぁ」

姉妹達のことを思い出したら、懐かしさと共に寂しさがこみ上げてきてまたため息を吐いてしまう。

「何か悩み事?」

「え?……ッあぁああ!ジェン!」

ちょうど会いたいと思っていた人物の登場に、嬉しさのあまり叫んでしまう。

「故郷を出てからそんなに経ってないのに、なんだか凄く久しぶりな気がする」

「そうだね~」

なんて良いタイミングの再開なんだ!
これ……もしかしたらセラも近くにいたりして。
いや、流石にないか。

「あ!ニーナ!ジェン!」

……いちゃったよ。
再開出来たことは嬉しいが、この偶然が少し怖いよ。

並んでベンチに座り、故郷を出てからの旅の話に花を咲かせた。
ウボォーギンに関する話は自分の口からするべきではないと思い、その部分は濁して話した。

「凄い偶然だよね。まさかここでニーナとセラに会うなんて」

「本当ね。また生きて会えるとは限らないから、こうして3人で集まれて嬉しい」

「遠回しに誰か死ぬみたいな言い方やめてよ~未来のことなんて分らないでしょ」
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