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覇者×ト×敗者

第21章 不吉×ナ×予知


「ニーナ。邪魔してすまないが、これお土産の芋けんぴ___」

爆発させようとした瞬間、姉様の言葉に全意識を持っていかれた。


芋______だとッ!!


正確には芋けんぴと言っていた。
だが、とても魅力的な響だ。

「あんたにとって芋とは一体……まぁいい。 練は出来るようになったから、後は纏で体に留められるようにしないとな」

「え?」

「気付いてないのか? 私が芋けんぴと言ったと同時に練をやってみせたぞ」

まさか芋が修行に役立つ日が来ようとは。驚きだ。
芋けんぴと聞いた瞬間、何かが自分の中で爆発するのを感じた。
自分の中の何かが芋という言葉に反応したようだ。
この感覚を忘れないようにしよう。
そうすれば、芋がなくても練が問題なく出来るようになるはずだ。

「今日からは練を纏で留め、長時間保てるように修行だ。……ニーナ、私の話を聞いてるか?」

「あ、すみませんッ」

集中しなければいけないのに、芋けんぴが気になってしょうがない。
私の視線は姉様が持っている芋けんぴに釘付けだ。

「……修行は芋けんぴを食べた後でいいよ。はい」

「ありがとうございます!」

受け取った芋けんぴを早速口へ運ぶ。


_____お、美味しいッ!!


こんなに美味しいとは。
芋けんぴがあれば修行でも何でも出来る気がする。
実際、練の習得の第一歩に大いに役立った。

「練を保つ時間の最初の目標は10分。最終的な目標は1時間。これをクリア出来たら次のステップへ進む。 いいな?」

「はい!」

そう言い残して姉様は部屋を後にした。
芋けんぴを平らげ、早速練の修行を再開する。
オーラを増幅させたはいいが、問題はそれを体に留めること。
練を行っている時、体からオーラが放散していくのが分かる。
ので、纏の時と同様に体中の隅から隅へとめぐるイメージを浮かべて、体に留められるように集中する。

姉様が練を保つ目標時間を10分と言った時、正直短過ぎるのでは?と思った____が、私は間違っていた。

「はぁ…はぁ…はぁ……うぅッ」

動悸がする。
体が鉛みたいに重い。
全身が筋肉痛の時みたいに鈍く痛む。


これはなかなかきつい……

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