第2章 以外×ナ×相手
「みんなちょっといいかい! 紹介しよう。 今日から船旅を共にするニーナだ! 仲良くしてやんな!」
『 よろしくお願いします』
甲板に集められた船員達に簡単な自己紹介を済ませる。
「よろしくね〜!」や「初めましてニーナ!」と船員達が軽い挨拶をしていく。
「ナタリー。 あんたが面倒を見てやんな」
「はい! 船長!」
「よろしくお願いします。 ナタリーさん」
「ナタリーでいいよ。 私もニーナって呼ぶからさ!」
「はい!」
皆それぞれの持ち場に戻り、船も無事出港した頃、私はナタリーと共に調理場にいた。
「漁をする海域までは、ここが私達の持ち場よ。 料理の経験は?」
「刺して焼くぐらいしか…」
「大丈夫! 私が教えるから。 まずはこの芋の皮を剥いていくよ」
ああ、なんという事だ…
旅は始まってまだ数時間しか経っていないというのに…
もう困難にぶち当たりました!!
こんなに沢山の芋が…
これは険しい船旅になりそうだ。
「こういう風に、芋を左手、ナイフを右手にもって……ほら! 剥けたでしょ!」
「おお!」
なんとか芋への欲望を押さえ込んで皮剥きに集中する。
今思うと、こういう細かい地道な作業は初めてかもしれない。
「上手! 覚えが早いわね」
「芋への欲望を集中力に変換してるので……ハハッ」
「え?」
「いえ何も! 初めての体験は楽しいものだなと」
「楽しんでもらえてるなら良かったわ」
そうして私は、己の欲望と葛藤しながら黙々と芋の皮を剥き続けるのであった。