第17章 とある民族学者の論考 Ⅰ
「迎撃型(カウンタータイプ)の能力者だったのかも」
「でもよ、相手の攻撃で死んじまったら元も子もねーんじゃねェのか?」
「そこが引っかかるんだよな……わざと死を選んだんだとすると__」
「おい、シャル!」
「これはッ」
床に散らばっている肉片からオーラが漂い始めたことに気が付く2人。
しかし状況が理解できず、ただ黙って目の前の不可解な光景を眺めることしか出来なかった。
「どうしてオーラが……これってもしかして、死後発動する能力なんじゃ……」
「マジかよ……この婆さん只者じゃねェな」
散らばっている肉片が徐々に人型に形成されていく。
「なるほどね。確かに、使用人“達”だ」
先程までの肉片が十数人の使用人となって立ち上がる。
「これがコイツの能力か」
「オレの推理が正しければ、かなり厄介な能力だ」
「ただ無闇にぶっ殺すだけじゃダメってことか」
「そういうこと」