第16章 観戦×デ×発展
「師匠は遠出をしています。いつ帰ってくるかも分かりません」
ヒソカは戦いが好きな戦闘狂。
姉様に興味を持たれたら危ない。
少し感じ悪かったかもしれないが、姉様を守るためだ。すまない。
「それは残念♦︎ それで、キミはいつになったら天空闘技場へ"選手"として来るんだい?」
「師匠の許しをいただいた時に、です」
「なるほど……楽しみに待ってるよ❤︎」
それじゃ、ボクは用事があるから。と言い残してヒソカは天空闘技場へ入って行った。
「はぁ…」
あぁ、緊張した。
「そうだ」
「ぎゃッ!?」
「そんなに驚かないでくれよ♦︎ 傷つくだろ?」
えぇ!? いや、いやいやいや!!
たった今天空闘技場の中へ入って行きましたよね?
いくらここが入口の近くにあるといっても、それなりに距離ありますよ?
その距離を私に気付かれずに戻って来たと?
ありえない……それに、
なぜわざわざ背後から声をかけるんですか!!
わざとなのか?
「………」
背後に立つヒソカ見上げると、ハンター試験で良く目にしていた表情を浮かべていた。
……わざとか。
「これをキミに。是非観においで❤︎」
「あ、どうも」
反射的に受け取ってしまったが、これは何だろうか。紙?
「明日のボクの試合だよ。試合は14:00から。遅刻しないようにね♠︎」
「は、はい」
「♪」
再びヒソカを見送った後、ボーッと観戦チケットを眺めながら考える。
天空闘技場へはまだ出場禁止だが、観戦はいいのだろうか。
帰ったら姉様に電話してみよう。
ヒソカの試合、ちょっと興味あるな。
残りの見張り時間、ずっと試合のことが頭から離れなかった。
「うわッもうこんな時間!」
近くにある時計塔を見ると、もう夜の8時を過ぎていた。
姉様が許可してくれるのを期待しながら、街灯が照らす帰路を急いだ。