第16章 観戦×デ×発展
翌日から午前中は8:00から11:00、午後は13:00から18:00の間で天空闘技場の見張りを始めた。
姉様がいないのは寂しいが、慣れなければ。
ちょうど入口が良く見える場所にベンチがあったので、そこに座って見張りをしながら纏の修行も同時に行なった。
天空闘技場の周囲は多くの人の往来で大変賑わっている。
そして、ふとあることを思った。
この状況の中で修行した方が効果あるのでは……?
一見騒がしくて修行に最適な場所とは言えないが、それを克服出来れば一段と成長できる………かも!
物は試しだ。
最初は聞こえてくる話し声や足音で気が散っていたが、1週間ぐらい経つ頃には気にならなくなった。
騒がしい場所で纏を保てるようになり、静かな場所ではより自然に出来るようになった。
このまま行けば、寝ながらでも保てるようになるかもしれない。
いつものように天空闘技場の前で見張りをしていると、興味深い話が聞こえてきた。
「明日はヒソカ戦だな」
「ああ、でもチケット買えなかったよ。 生で観たかったのにな〜」
ヒソカ戦?
ヒソカが明日ここで戦うということ?
もしそうなら、奴は今目の前の天空闘技場にいる可能性が高い。
近くにいるかもしれないと思ったら、急に寒気が____……
「やあ❤︎」
「ぎゃッ!?」
近くにいましたッ!!
いつもなら、背後から急に話しかけられてもあまり驚くことはない。いつもなら。
心臓が止まりそうになる程驚いたのは、背後にいたのが今一番会いたくない男だったからだ。
「久しぶりだね♣︎ 元気だった?」
「………ええ、まぁ」
ヒソカは親しげに話しかけてくるが……私の首を絞めたこと、忘れてないからな!!
「ハンター試験は合格できたのかい?」
「………はい」
「おめでとう❤︎」
「………」
なぜこうも普通に話しかけてこれるのだろうか。
まさか私にしたことを忘れたのか?
それにおめでとうじゃなくて、首を絞めてごめんなさいが先じゃないんですか!?
そんなことを考えている間も気まずい沈黙は流れる続ける。
一刻も早くこの場を離れたい。
「念の洗礼は受けずに済みそうだね♠︎ ……キミの師匠は近くに?」
ッコイツ! 洗礼のこと知ってて私を天空闘技場へ行くよう仕向けたのか。
なんて最低な奴なんだ。
と、それよりも___
