第1章 初メ×ノ×始メ
ふふっと微笑んだセラは元から言葉使いや仕草には直すところがなかったが、何故か腹の中が黒くなった気がする。
「ニーナ。ほれ、これを持っておいきィな。 婆からの、最後の贈り物だわィ」
男を狩るために村を出る時、婆様は皆に何かしらの贈り物をする。
セラには一角獣の鬣(たてがみ)で織られた帯。
ジェンは月光山で取れた鉱物から作られた短刀。
他の皆もそれぞれ素敵な贈り物を受け取っていた。
私はいくら待ってもなかなか婆様からお声がかからないので忘れられているのかと思っていた。あるいは私だけに贈り物をくれないという新手のいじめ。
「こ、これは…」
婆様から受け取った包みを、期待を膨らませて開けると___
「…………って芋かあぁぁい!?!?」
「ひゃっひゃっひゃっひゃ! 大きくなって、戻ってくるんだぞィ!」
「くっ! 悔しいけど、芋をもらって喜んでいるのは事実だわ」
「よかったわね!ニーナ!」
「嬉しいの!?」
「芋は好きだからね! それじゃあ、行ってきます!」
そう言い残し、私はセラ、ジェンと共に村を後にした。