第15章 念×ノ×覚醒
姉様の能力で完全に目が覚めてしまった私は、私の悲鳴で完全に目が覚めてしまった姉様としばらくお喋りをすることになった。
「どうして私の部屋に?もう寝たかと……」
「いやぁ、寝る間は纏を解いてもいいのか聞こうと思いまして」
「慣れたら寝てても出来るけど、まだ始めたばかりだから解いても構わないよ………あれ、言わなかったっけ?」
「言わなかったです……」
「ごめんごめん!」
あははは!と姉様は笑っているが、私は死にかけたんですよ!
その上トラウマも抱えてしまった……
しかし、姉様が用意してくれたココアという飲み物で気分が少し良くなった。
ココアという飲み物は甘く温かく……なんて素晴らしいのだ。
だいぶ落ち着いたので、勇気をふり絞って先程のアレについて聞いてみることにした。
姉様は自分の能力だって言ってたが、屍を操るネクロマンサーというやつだろうか……?
「あの、さっきのアレは一体……」
「能力については、念の基礎を修めてから説明する。今説明してもニーナの頭が痛くなるだけだからね」
「はい」
確かに私の頭はもう限界だと悲鳴をあげている。
念能力、想像以上に複雑なもののようだ。
無事に習得出来るだろうか……いや、習得してもいいものなのか不安だな。
屍を操るのはちょっと……
「そういえば、天空闘技場へは金を稼ぐために行くと言っていたな。金なら修行中私が面倒を見るし、部屋もいくつか余ってるから使うといい。もう天空闘技場で戦う必要はないだろう?」
お言葉に甘えて修行中はお世話になろう。
しかし、私が天空闘技場へ行きたい理由はもうひとつある。
ハンター試験でヒソカと戦った時、恐怖で逃げようとしてしまった。
醜態を晒してしまった自分が恥ずかしくて恥ずかしくて……情けない。
故郷で身につけた戦闘技術もまったく活かせなかった。
怪獣や魔獣を相手に戦うのとはわけが違う。
私は知らなかった。人間との戦闘がいかに怖ろしいのかを。
獣は生存のために戦うが、人間は必ずしもそうではない。
ので、天空闘技場で戦いの経験を積んで、ヒソカみたいな危険な人間と遭遇しても対処出来るようになりたい。
もう恐怖で腰を抜かすことがないように。
「実はハンター試験で___」
姉様に、ハンター試験でヒソカとのことを話した。