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覇者×ト×敗者

第15章 念×ノ×覚醒


「!?」

何かが身体を突き抜けるような強い衝撃を感じた瞬間、

「……なに、コレ?」

身体中から湯気のようなものが勢い良く噴き出してきた。
その勢いは衰えることなくどんどん溢れ出ていく。

「それがオーラ。さ、ここからが本番!そのオーラを身体に留めるんだ。身体中を巡る血液をイメージするといい」

よし。
頑張るんだ!私の頭!

「ふぅ…」

まずは気持ちを落ち着けよう。焦ってはいけない。
オーラの流れを感じ取るために目を閉じる。
ある程度流れていく方向を感じ取れた。
その流れが身体へと戻ってくるように、流れの方向を修正していくイメージを思い浮かべる。


血液のように身体中をぐるぐると……


先程より流れが穏やかになったが、まだ身体に留まってくれない。
苦戦していると、

「もうひと息だ。頭のてっぺんから右の肩、手、足を通って左側へ流れ、次第にゆっくりと、身体の周りでゆらいでいるイメージを思い浮かべて」

言われた通りにイメージを思い浮かべると、身体が何かに包み込まれるのを感じた。

「上出来!それが纏だ」

「つ、かれたぁ……」

頭が。
自分が普段、いかに頭を使っていなかったのかを実感した。

「休んでも良いけど、修行中は纏が解けたら罰ゲームね」

「えぇ……」

「今日はもう遅いからここまでにしよう」

窓に視線を向けると、外はもう真っ暗だった。

「私は部屋に戻るよ。おやすみ、ニーナ」

「おやすみなさい」

部屋から出て行く姉様を見送り、ベッドへ身体を沈める。
激しい運動をした後のように身体が重い。
ぼーっとしていると、次第に眠くなってきた。

「……ッ!」

うとうとしていると、危うく纏が解けるところだった。
また集中するが、次第にうとうとしてしまう。
そして纏が解けかけてまた集中………の何度目かの繰り返しでハッとする。
寝てる間は纏を解いてもセーフ?
これでは眠ることが出来ない。
姉様、何も言わなかったからな……どうしよう。
纏を解いてもバレないかもしれないが、もし万が一バレたら良い印象は与えないだろうな。
「バレなきゃ何しても良いってもんじゃない!」みたいな。


……………聞きに行こう。

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