第15章 念×ノ×覚醒
「”念”について説明するから、しっかり聞くんだよ」
「はい」
“念”とは身体から溢れ出す、“オーラ”と呼ばれる生命エネルギーを自在に操る能力のこと。
生命エネルギーは誰しも微量ながらもっているが、その殆どは垂れ流しの状態になっている。
その生命エネルギーを肉体に留める技術を“纏”という。
これによって肉体は頑強になり、常人よりはりかに若さを保てるようになる。
“絶”は字のごとく、オーラを絶つ技術。
気配を消したり、極度の疲労を疲労をいやす時などに効果がある。
そして、通常以上のオーラを生み出す技術“練”。
「ここまではいい?」
「………ダメです」
頭が、痛い。
「ニーナは昔から勉強が苦手だからなぁ……実際にやりながらの方が良いかもしれない。早速だが、今から座禅を組むぞ」
「え?」
「この力を目覚めさせるには、“精孔”という穴を開く必要がある。精孔を開くには、瞑想や禅で自分のオーラを感じ取る必要があるんだよ」
座禅って、ジッと座って精神統一をする………無理!
しかし姉様は既に座禅を組んでいる。
ので、仕方なく私も座禅を組む。
「…………」
「…………」
一体どれぐらい時間が経っただろうか……
そろそろ限界だ。
集中しようとすればするほど、余計なことを考えてしまう。
お腹空いた
芋食べたい
肉食べたい
お尻が痛い
「まだ5分も経ってないぞ」
「えぇッ」
お尻の痛みを緩和させるため、バレない程度に身体を左右に揺らしていると、姉様がため息を吐きながら言った。
30分は経っていると思ったのに……
やはり私には無理だ。
素質がないのかもしれない。
そう思ったら急に目頭が熱くなってきた。
姉様は期待してくれているのに……
「ッごめんなさい!こんな私でごめんなさい!」
「な、泣くなニーナ!このやり方が合わなかっただけだから!もう1つの方法ならきっと上手くいく!」
悔し涙を流す私に、姉様がもう1つの方法を提案してくれた。
姉様は姿勢を正してジッと私を見つめると、そのままこちらへ手をかざした。
「!?」
見えない何かに押されている、圧迫感のようなものを感じる。
「今から外法と呼ばれる方法で精孔をこじあける。私に背を向けて立って………よし。それじゃ、いくよ!」