第13章 道しるべ
その後、少女の肩を借りてルージュを館まで連れ戻した。
3人の他に、首謀者だった使用人もあの少女によって暴きだされて誘拐事件は無事解決した。
報酬も受け取り、このままお別れだと思っていたが、なぜか彼女は病院まで付いてきた。
「あの、何か私に用でも?」
「ええ、聞きたい事があるんだわさ」
聞きたい事?
何だろう……
「まずは自己紹介からね!あたしはビスケット=クルーガー。ビスケって呼んでね!」
「私はエッダです」
そういえば、先程助けてもらったお礼をまだしていなかった。
「助けていただいて、ありがとうございました」
「あれぐらいどうって事ないわよ」
会話が途切れ、しばらく無言で見つめられる。
そして、予想していなかった事を聞かれた。
「どうしてあの子の居場所が分かったんだい?あんたの能力だと思ってたけど、素人だし……」
能力?
道しるべの事を言っているのか?
「幼い頃から、人から出る煙みたいなものが見えるんです」
「煙?」
「はい」
ビスケは私がどうやってルージュを見つけたのかが気になっていたのだ。
もしかしたら、彼女はこの煙について何か知っているかもしれない。
煙について知っている事を全て話した。
私もこれが何なのかを知りたい。
「……なるほどね」
「?」
ビスケは納得したように私へ視線を向けた。
「それは恐らく“残留思念”と呼ばれるものね」
____“残留思念”?