第1章 初メ×ノ×始メ
怪我も完治し、私とセラはジェンにみっちり特訓をつけられた。その期間役1ヶ月。
そしていよいよ訓練再開日。
私達45名は再び隊長の元へと集まっていた。
「本日より訓練を再開する!」
「「「「はい!!」」」」
初回の訓練で太刀打ちできない相手との戦闘による重症(隊長のメイスによるもの)や自信喪失などの挫折を味わった我々は、1ヶ月の間に同じ組の仲間と共に切磋琢磨して成長した。
いける!隊長のメイスを受けなくて済む!
「順番はこの前と同じで行う! 準備しろ!」
「セラ! ジェン! 隊長のメイスを受けないように頑張ろう!」
「そっちかよ!?」
「確かにあれは受けたら痛そう」
あの日と同じように檻の中へと入った私達は、もうあの日みたいに冷や汗をかくことはなかった。
「始め!」
いや、訂正しよう。
隊長が背後に立った瞬間に冷や汗かきました。
「集中しろ! くるぞ!」
ジェンの喝に気合を入れ直しドラゴンと対峙する。
前回はジェンにフォローしてもらいながら動いていたが、今回は阿吽の呼吸でお互いをフォロー、ではなくサポートし合いながら戦えている。
「ここだーーっ!!」
「はあっ!!」
「えいっ!!」
お陰で難なくひと蹴り入れる事が出来た。
他の組も今回は順調に合格していく。
「全員合格だ! この訓練の合格により、貴様らは今日から村の外へ出て狩りをする事が許される! 我らにとって天敵となるドラゴンの対処法を身につけたからな」
隊長の言葉に周りから歓喜に満ちた声が湧き上がる。
この訓練の目的は3つあった。
1つ目は、一度挫折を味あわせ、己の弱い心と向き合わせて克服させることで精神を鍛えること。
2つ目は、アマゾネスとしての闘争本能を呼び覚ますこと。
3つ目は、無力な娘達が逃げ惑うのを見て楽しむこと。(アマゾネスにはサドが多いらしい)
見事に戦う喜びを覚えた私達は、いつしか村の外へ出てまだ見ぬ強敵を求めるようになっていた。
「この調子でいけば、あと数ヶ月でドラゴンも倒せるぞ!」
「隊長のメイスを防げるなら楽勝だな」
「一生無理だ」
「大丈夫だよ!ニーナならできるよ!……いつか……多分…」
「セーラー! 何だよ多分って!」
今まで村の中で畑仕事をしていた私達は、これからは村の外で食料調達、つまり狩りをすることが許された。
