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覇者×ト×敗者

第12章 君にさよならを


「よろしく、ウボォーギン!」

「うん!」

ウボォーギンは自分が暮らしてる洞窟へ案内してくれた。
洞窟の入口は蔓が垂れ下げられ、見つけ難い様に工夫されていた。
注意して見なければ、誰もここに洞窟への入口があるとは気付かないだろう。

「ここで暮らしてるの?」

「うん。母様と2人で」

「寂しくないの?」

「……ちょっとだけ」

胸が痛んだ。
私には母様達や姉様達がたくさん周りにいる。
最近は妹もできた。
なのに、ウボォーギンには母様がひとりだけ……

「どうして村のみんなと一緒じゃないの?」

「他のみんなとは違うから、一緒にいちゃダメだって……」

「何が違うの?」

「分からない」

一体何が違うというのだろう。
変わったところなんて、何も見当たらないのに。

「これからは一緒に遊ぼうね!」

「うん!」

それから毎日、暇さえあれば境界線を超えてウボォーギンと遊んだ。
少しでも寂しさを感じない様に、話もたくさんした。

「妹がいるんだけど、会ってみたい?」

「妹?誰の?」

「みんなの妹!もちろん、ウボォーギンの妹でもあるんだよ!」

私達アマゾネスは皆親子であり、皆姉妹(きょうだい)である。
なので、当然ウボォーギンも私やニーナとは姉妹だ。
だからどうしても会わせてあげたかった。

「明日、ニーナを連れてくるね!」

「ありがとう!」

「それじゃあ、また明日」

「またね」

明日が楽しみだ。
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