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ぐーだら娘は今日も惰眠を貪る

第1章 寝るので忙しいんです


音楽を聞きながらスーパーに向かう途中の公園前にて。
ひそひとと奥様同士が会話をしてる。

女の人ってこういう噂が好きだから嫌いだなぁ。
表では仲良くしながら裏じゃ悪口の連続なんでしょ?
あーあ、やだやだ。
社会人にならなくてよかった。

な~んて思いながら歩いていると、公園には…、あれ?
あ、あれは片倉小十郎さん…?
上着を脱いで半裸になって手ぬぐいで体を拭いてらっしゃる。
顔はヤクザ。

子供を守るのに必死な奥様方が噂をするのも無理ないよね。
ごめんね、悪口を言っちゃって。

佐助さんとは知り合いだろうし、小十郎さんも確実に我が家へ来ることになるだろうなぁ。
ってなると、この場を上手く切り抜けないと後々私が奥様方から白い目で見られるんだよね?

よし、低いコミュ力をフル活用するんだ。

私は彼の名前を聞いてない。
戦国時代という発言は絶対にさせない。

これが大切になるわけで。

って、唸りながら考えていると、小十郎さんと目が合った。
す、凄く睨まれている…!!!

『あ、あの、佐助くんのお知り合い、ですよね…?』

頑張って笑顔を取り繕うと、小十郎さんは驚いた表情で私の方を見る。

小「武田…」

わぁぁぁ、その単語は駄目ー!!

『猿飛佐助くんですよ~。迷彩柄がよく似合うお兄さんです。彼の家がわからないんでしょう?案内します!』

小「奴の所で世話になるのは少々気が引けるが…、この際そんな文句は言えねェか」

ここでさくっと奥様方に会釈をする。
小さな声で「お騒がせしました~」の一言を添えて。

奥様A「あら、一ヶ月前からここで寝泊まりしてるからホームレスかと思ったわ~」

奥様B「電話番号を知らなかったのね、お家の人が見つかって私もホッとしちゃって」

絶対怪しまれてる。
奥様方の笑顔の裏に見え隠れする好奇心が怖い…。

しかも、小十郎さんはポン刀をもってらっしゃる。

どう見てもヤクザの親分を見つけ出した家族です本当にありがとうございました!!!

…そうだ、引っ越そう。
お兄ちゃんが寝泊まりするだけの服は置いてあったけど、そんなに種類はないし。
何より家も狭い。
私が一人暮らしをするために借りた家だから、やっぱり広い持ち家がいいよね!!!

絶対近所の目を避けるためじゃないよ!
ご近所さんの視線が痛いとか絶対に気にしないてない!!!
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