第2章 伊達軍の会話
最後に覚えてんのは、真田幸村と決闘していた時か。
眩しくて目を開けてらんねぇ…って思った瞬間、この世界にいた。
金は使えねぇし知らない恐ろしいくらいに素早い乗り物が走ってるし…、恵が居なければどうなっていたか。
実際、恵が乗せてくれるまでこの乗り物に乗れるなんて思いもしなかった。
何処に行くかも聞いてはいねぇ。
どうやらあの女は忍にしか心を開いてない様子。
政「で、一ヶ月もどうやって暮らしてたんだ?」
小「近所の墓にあるお供え物で暮らしておりました。時々食べ物を恵んでもらうこともあったのですが、出迎えてくれた人は恵くらいで…」
政「…Oh...そりゃ苦労したな。俺はついさっき到着したからいいものを…」
すっと前を見たら恵と楽しそうに会話をしている忍の姿。
あの様子だと二人で暮らし始めて長いんだろう。
小十郎と同じ一ヶ月前だろうか?
そうなると、小十郎と忍、生活の差は天と地の差がある。
…正直な所、いけすかねぇが俺らの処遇は忍が握ってると思っても可笑しくねぇ話か。
小「今夜寝る場所ですが、この小十郎めにお任せください」
政「恵の家以外に行くあてはねぇだろ?」
小「ご安心を。彼女の家ですが廊下を確保します」
…確かに、女と一緒に寝るのは気が引けるしかと言って忍と寝るほうが困る。
そもそも忍の性格からすると、恵と一緒に部屋には寝かさないだろうな。
俺らが近づけないようにさり気なく横をKeepし続けてるのがわかりやすい証拠だ。