第13章 鯉登家にお泊まりに行こう
「さっきまで名前を呼んでくれちょったんに…………」
音之進はムスっとした表情で言った。
「かっ!!」
は可愛い!!と叫びたい衝動をどうにか抑えた。(実際は可愛いの " か " が出てしまっているが………)
は抑えた自分を褒めたくなった。
「んんっ。
ごめん。
誘拐されて気が動転してたせいか名前で呼んでいたんだ。
よかったら音之進くんと呼んでもいい?」
「無論だ!」
に名前で呼ばれて嬉しそうに笑う音之進。
(若い鯉登少尉って可愛いなぁ……………)
気を緩めばニマニマしそうな表情を引き締めては音之進の案内で鯉登家へと向かった。
「ただいま!
勇作を連れて来た!」
音之進はが自分の家に来たのが嬉しいようで嬉しそうな笑顔で母親であるユキに報告していた。
「お邪魔します」
は頭を下げる。
「いらっしゃい勇作君。
音之進から色々話は聞いちょっわ。
大変やったね。
自分の家じゃち思うてゆっくりしていってちょうだい」
ユキは微笑みながらを迎え入れた。
「そうだ勇作!!
もう晩ご飯はたもったか(食べたか)?」
「そういえばまだだった……………」
音之進に言われては晩ご飯がまだなことに気付く。
「それならちょうどよか!!
おっかんの作ったつけあげとさつま汁はうんめかでぜひたもってくれ(美味しいからぜひ食べてくれ)!!」
こっちだと音之進はの手を引き案内をする。