第12章 函館で三輪自動車に轢かれかけたと思ったら誘拐された
「臆測ばかり言ってもしょうがないか。
お互い助かる方法を2人で考えよう!
私は花沢 勇作。
よろしく」
は音之進を励ますように笑いかけた。
「鯉登 音之進じゃ」
音之進がに名前を言った瞬間、部屋の扉が開いて顔を隠した男3人が入ってきた。
『目が覚めたか』
「ロシア語………?」
男の口から出た言葉には首を傾げた。
(日本人じゃなくてロシア人がなんで鯉登少尉を誘拐したんだろう………?)
男達を見ながらロシア人が音之進を誘拐して得する事は何かが考えていると男がの目の前に水の入った茶碗を差し出した。
『飲め』
「………えーと………飲めって事なのかな………?」
ロシア語が分からないは恐る恐る茶碗に口をつけて水を飲んだ。
音之進も別の男から水の入った茶碗を差し出されて飲んだ。
そして男を1人部屋に残して他の2人は部屋から出て行った。
と音之進の見張りだろう。
「…………ロシア人なら心当たりがあっ(ロシア人なら心当たりがある)」
「本当!?」
音之進の言葉には勢いよく音之進の方を見た。
「父上が函館の対岸に完工間近である大港水雷団の監督であっちゅうとが関係しちょっち思う」
「大港水雷団って………新しく出来る海軍の基地って話だけは聞いたことがある」
音之進の言葉には考え込む。
「ロシアからしてみればその基地が出来ると太平洋へ出る時に都合が悪いから基地を無力化させようとしている………?」
「オイもそう思う。
じゃっどん(でも)父上はオイのためにロシアん言いなりになっこちゃ絶対に無か」
の考えに音之進は頷きながら言った。