第10章 お見合いをぶち壊せ!
ドガァァ!
「勇作くんの童貞は我々が守…………る?」
部屋のドアを蹴破って入ってきた鶴見は部屋の中の光景に目を疑った。
全裸の杉元(軍帽だけ被っている)とが驚いた拍子にフリのはずが思いっきりキスしていた。
そしてその様子を花枝子は口に手をあて、頬を赤く染めながら瞬きもせずに見つめていた。
「2人の事は分かりました…………。
どうか末永くお幸せに!!」
「あっ!
お待ちください!!
お嬢様っ!!」
花枝子はと杉元にそれぞれ握手をすると部屋から出て行った。
花枝子のお付きの女中らしき女が花枝子の後を追う。
「…………それでこれはどういう状況なんだい?」
さすがに状況が上手く把握できなかった鶴見がに聞いてきた。
「私に男色の気があれば諦めてくれるかと思い一芝居しました。
こちらの方はその協力者です」
とキスをしてしまい、放心状態の杉元の紹介をする。
「ちょっと杉元さん、大丈夫ですか?」
は小声で杉元に声をかけた。
「うっ」
「う?」
「うわあぁぁぁん!!
はじめてだったのにいぃぃぃ!!!!!」
「ちょっ!!
服っ!!」
泣いて部屋から飛び出す杉元をは追いかけようとしたが、足が早く追いつくのは無理だと判断しては諦めた。
(まぁ菊田軍曹が外にいるから何とかしてもらえるよね………?
問題はこっちだよ……………)
は鶴見の後ろにいる男達を見て顔が引き攣りそうになった。
鶴見と一緒に部屋に入ってきたのは全員で3人。
月島と前に甘味処でと闘った宇佐美。
そして…………。