第10章 お見合いをぶち壊せ!
「佐一くん………。
私も君の事が………!!」
は杉元を抱きしめた。
突然に抱きしめられて杉元は何処に手を置けばいいか分からずわたわたと動かした。
「すまない花枝子さん。
この話は無かったことにしてもらえませんか?」
は花枝子に声をかけたが、花枝子はショックが大きかったのだろう。
放心していた。
「カエコさん?
大丈夫ですか?
あと服を返していただけると助かるのですが…………」
「…………い」
「「え?」」
杉元が声をかけると花枝子は杉元の着ていた軍服を握りしめて小声で何か言った。
と杉元は思わず聞き返した。
「認めないわっ!!
2人が好き同士なら証拠を見せなさいよ!!」
「ええっ!!?」
花枝子の言葉に声を出して驚く杉元。
「ど、どうする?」
焦った様子でに聞いてきた杉元。
「……………腹をくくろう。
すみません。
佐一くん」
は杉元の顔に手を添えると顔をどんどん近づけていく。
「えっえええ!!?
ちょっちょちょちょっと勇作君!!!?」
慌てふためく杉元。
その様子を食い入るように見つめる花枝子。
その目は血走っていた。
ちなみにの名誉の為に言っておくが、ギリギリのところで花枝子からは見えない角度に方向を変えてキスするフリをするつもりだった。
…………そうフリだったのだ。