第10章 お見合いをぶち壊せ!
「この辺りに来たと思うんだけど…………」
は廊下で杉元達がどの部屋に入ったのか探っていた。
「嫌ぁ!!
服が取られる!!」
杉元の悲鳴が微かに聞こえた。
「服!?
まさか襲われて………!!?」
は花枝子が杉元を襲っている姿を想像して慌てて部屋へ入った。
「杉……じゃなかった。
佐一くん!!」
が部屋に入ると杉元が着ていたであろう軍服を持った花枝子がいた。
杉元の姿はいない。
「だ、誰っ!!?」
の姿を見て驚く花枝子。
「驚かせてすみません。
金子 花枝子さんですね。
私は花沢 勇作です」
「え?
勇作さんならこっちに………」
の言葉に花枝子は浴室へと続く扉をチラリと見た。
「あら?
でもよく見たら写真とお顔が一緒…………」
花枝子はの祖父から貰った写真との顔が同じ事に気が付いたようだ。
「どういうことですの?
まさか私を騙しておりましたの!!?」
「違うんだ!
カエコさん!!」
怒りを露わにする花枝子を止めようと浴室から全裸の杉元が出てきた。
ちなみに何故か軍帽はしっかり被っている。
「俺が…………俺が勝手に勇作君の身替わりでお見合いに来たんだ!」
「!!
そ、それはどういう意味ですの?」
花枝子は顔を赤くした。
ちなみに赤くなった理由は半分は杉元の全裸で、もう半分は杉元の発言がもしかして自分に気があるのかと勘違いしたからである。
「じ、実は俺…………勇作君の事がススススススキでっ!!
勇作君がお見合いに行くのが嫌だったんだ!!」
しーん。
と静まり返る室内。