第9章 エビフライに限らず転生してから洋食が恋しいです
と杉元は話をする為に場所を行きつけの甘味処へ移動した。
適当に団子を注文して2人で長椅子並んで腰掛けて食べながら話をした。
「なるほど。
私の母方のお祖父様が一人娘の残した子供………つまり私が聯隊旗手になるのを阻止する為に見合いを設けて見合い相手に私の童貞を奪ってこいと…………。
それを知ったクソ親………んんっ失礼。
父が阻止しようと菊田軍曹殿に指示を出して菊田軍曹殿が私の身替わりとして杉元さんを選んだということですね」
「クソ親………?」
がクソ親父と言いかけたことに驚く杉元。
「ああ、私と父は仲が悪いというか…………。
向こうはどう思っているか分かりませんが私は父が嫌いです」
「そ、そうなのか…………。
じゃあ聯隊旗手は……………?」
杉元の質問には辺りを見回して杉元に身体を寄せた。
「やりたくありませんよ。
軍人にだって出来ればなりたくないのに…………」
「じゃあこのお見合いは………?」
「あ、それは当初の予定通りぶっ壊しましょう」
「え?
ぶっ壊すの?」
の言葉に驚く杉元。
「私はそのお見合い相手に応えることができませんので」
「何で!?
軍隊行くより帝国ホテルでエビフライ食べたいんだよな!!?」
「杉元さんエビフライ好きだね………?
………私は女性を愛せないのです」
エビフライをしきりに出してくる杉元に若干引く。
迷った末に真実を隠したまま真実を伝えた。
「そ………そうだったのか…………」
杉元が黙る。
そして2人に沈黙が流れる。