第9章 エビフライに限らず転生してから洋食が恋しいです
(ああぁ〜〜〜〜面っっっ倒臭ぇぇぇ…………)
が陸士になってこれまで何度も何度も聞かれた。
" 聯隊旗手になりたいのか "
恐らくライバルの把握をしておきたいのだろう。
その度にはそんな死亡フラグ満載のものなりませーん!!と言いたいところだったが、聯隊旗手に選ばれることは名誉である為下手に否定して揉める原因を作りたくなかったのでそれができなかった。
なのでは選ばれたら誇りだよねと誤魔化し、避けていた。
「選ばれたら誇りに思います」
は内心よく片言にならなかったなと自分で自分を褒めたくなった。
「父親が望むからですか?」
「あなたは何を知りたいんですか?」
「あんたの本音を知っておきたいんです」
男との間に沈黙が流れる。
「…………本音をあなたに話したところで何が変わるというんですか?」
「えっ?」
「私の本音を話したってあなたには理解できない」
はそう言って男を睨んだ。
(陸軍であのクソ親父は神聖視されてる。
ボロカスに悪口言っても私の頭がおかしいと言われるだけ………)
がそう思いながらぼーっと自分のつま先を眺めていた。
その時。
「馬鹿野郎ッ!!!」
は男に頬を叩かれた。
「話す前から諦めんじゃねェ!
本当はエビフライじゃねえのかよこの野郎ッ!!!」
男はの胸ぐらを掴んだ。
「エビフライ!?
何のこと?
急に何なの!?」
は男の言うエビフライが何かの隠語かと思い混乱する。