第9章 エビフライに限らず転生してから洋食が恋しいです
そんな事があった数日後の事である。
「勇作ー。
お前に用があるって奴がいたんだが」
「私に?」
佐藤達とご飯を食べに行っていた(顔の怪我が治ったので女学生達との約束を果たしに行ったのだろう)大和がに声をかけてきた。
「何か見かけたことないやつだから気をつけろよ?」
「陸士だと違う中隊のやつは大体見たことないやつになるけど。
大和は心配性だね。」
は笑いながら自分に用があると言う男の元へ移動した。
男は松の木の下にいた。
「キミかな?
私に用があるって」
は男に声をかけた。
「花沢 勇作さん?」
男の問いかけには頷いた。
は自分が会って来た人の中に男がいないはずなのにどこか既視感を感じた。
「失礼だけど面識ありましたっけ?
何中隊の何区隊?
名前は?」
「まあまあ…………。
それは後で。
話はすぐに済みますから」
の質問をはぐらかす男には疑問を持ったがまぁいいかと思いそれ以上問い詰めなかった。
「第七師団長であるお父上があなたに聯隊旗手になることを望んでいるって…………。
それ本当?」
「…………誰からそんな話を?
それがなんだというんですか?」
男の質問には思いっきり眉間にシワを寄せる。
「どうして息子に死ぬ確率の高い聯隊旗手を望む?
戦争など起こらないとたかをくくっているんですか?」
「……………つまり何が言いたいのですか?」
「あなたは旗手になりたいのですか?」
男の質問には思わず空を見上げた。