第8章 両頬に黒子がある奴がモブなわけがない!!
月島が部屋に入ると鶴見と先ほど甘味処でと戦った両頬に黒子がある男が向かい合って座っていた。
「今、宇佐美上等兵から報告を聞いていたところだ」
「そうですか」
先ほどの甘味処での騒動は実はの実力を知りたいが為に鶴見が両頬に黒子がある男、宇佐美に命じて起こさせたものだった。
「月島軍曹から見て勇作君の実力はどう思った?」
「そうですね………的確に攻撃を避けて相手の急所を的確に攻撃する辺りかなりの実力があると思われます」
鶴見に聞かれ、月島は思ったままの事を言った。
「でも何で止めたんですか?
私が勝てたのに」
宇佐美は月島に止められた事に不満を漏らす。
「本当に勝ててたのか?
避けたと思ってたあの顎への攻撃…………本当は少しかすっていただろう?」
「うっ………」
月島に指摘されて宇佐美は罰が悪そうな表情になる。
実はあの時、が宇佐美に避けられたと思っていた顎の攻撃は少しかすっており、宇佐美は後ろに少しよろけていた。
避けられたと思ってすぐに宇佐美の攻撃を腕でガードしようとしていたはそれを見逃していた。
もし見逃していなければ追い討ちをかけれていたのだ。
(あーあ。
せっかく鶴見少尉のお気に入りをボコボコにして僕が気に入られるチャンスだと思ったのに)
宇佐美はそう思いながらため息をついた。
「宇佐美上等兵、私的なことに使って悪かったね。
でも君のおかげで色々わかって助かったよ。
ありがとう」
鶴見が宇佐美に微笑みながら言った。
「いえ!
鶴見少尉殿のお願いとあらばいつでもどうぞ私を使ってください!!」
宇佐美は顔を赤く染めながら言った。