第8章 両頬に黒子がある奴がモブなわけがない!!
大和が男の1人を相手してくれるのでは自分の相手を見た。
の相手の男は両頬に黒子がある男だった。
(この人………強い)
黒子の男の佇まいから先ほどの男より実力があると感じたは身構えた。
黒子の男から素早い拳が何度も繰り出された。
(早いっ………!!)
は避けることが精一杯だった。
一瞬でも気を緩めたりしたら黒子の男の攻撃が当たると思ったは黒子の男の攻撃一つ一つに集中した。
「………チッ!
ちょこまかとっ!!」
攻撃を全て躱すに苛立った黒子の男の拳が大振りになった。
その瞬間をは見逃さなかった。
「もらったっ…………!!」
は黒子の男の顎目がけて拳を突き出したが、ギリギリのところで男は躱した。
(まずいっ!!)
黒子の男の振り上げた拳がに向かってくる。
どう身を捩っても躱せそうにないと判断したは咄嗟に両腕をくっつけて体の前に出し衝撃に備える。
……………が、いつまでたっても男からの攻撃はなく、不思議に思ったはそろりと男の方を見た。
月島が男の拳を手で受け止めていた。
「もうその辺にしておけ。
これ以上暴れたらお店にも迷惑だ」
そう言って月島は黒子の男を睨んだ。
「………………チッ。
出るよ」
と月島を見比べた後、大きな舌打ちをして黒子の男は大和の相手をしていた男に声をかけると店から出て行った。
声をかけられた大和の相手をしていた男は慌ててが気絶させていた男の腕を掴むと肩を組み運んで行った。