第8章 両頬に黒子がある奴がモブなわけがない!!
ガシャァァァン!!
「何だお前っ!!
俺達の酌が出来ないってのか!!?」
何かが割れる音がした後に店の奥にいた男の客の怒鳴り声が甘味処に響く。
達は声のした方を向くと、甘味処の看板娘が3人の男に絡まれていた。
「女は黙って酌をしてればいいんだよ!!」
「で、ですが………この店はそういう店では…………」
娘は今にも泣きそうな表情だった。
「いいから早くここに座って酌をしろ!!」
男の1人が娘の手首を掴み無理やり引っ張る。
だが、その男の手首を掴んだ者がいた。
「…………男なら嫌がる女性を無理やり手籠にしてもいいと言うわけですか?」
だった。
「何だお前?」
に手首を掴まれた男が睨む。
「おい。
まずいよ。
コイツ陸士だ」
の着ている軍服に気がついた男がに手首を掴まれてる男に声をかけた。
「はっ!!
こんなヒョロヒョロしたガキが将来帝国陸軍を引っ張って行くのかよ!!?」
に手首を掴まれている男が笑いながら言った。
「…………少なくとも私は貴方みたいに昼間から酒を飲めるほど暇ではないので。
貴方が酒を飲んでる間に私は訓練しておりますので貴方が心配することは何もないと思いますが」
は皮肉たっぷりに笑うと男は顔をだんだん真っ赤にさせて怒りに震える。
「喧嘩売ってるのか!!?」
男は娘の手首を離すとの手を振り払いそのままの胸ぐらを両手で掴んだ。
「事実を言っただけです」
はそう言うと男を睨みつける。