第6章 いやいやいや、何でこの人がここに………!?
(どの口が言ってるんだか…………。
私は大和の話を一回もしたことないのに…………)
思わず幸次郎に冷たい目線を送る。
すると、幸次郎の後ろにいた幸次郎の部下との目があった。
は慌てて幸次郎に向けていた冷たい目を止める。
幸次郎の部下はに微笑んできた。
(…………あれ?
この人………初めて会うのにどこかで見たことがあるような…………?)
どこか見覚えのある幸次郎の部下にも頭を下げながらぎこちなく微笑み返す。
「父さま、後ろの方はどなたでしょうか?
私の記憶が正しければ初めて会う方なのですが…………」
は幸次郎に聞いた。
「あぁ。
私の部下の鶴見だ」
幸次郎がそう答えた瞬間、は思わず声をあげそうになったが何とか耐えた。
(鶴見中尉だぁぁぁ!!!
そりゃ見たことあるって思うはずだよ………!!)
が知っている鶴見中尉は頭に怪我をし、大きな額当てのようなものを付けていたが、まだ怪我を負う前だった為、は気がつかなかったのだ。
「はじめまして。
花沢の息子、花沢 勇作です」
はそう言いながら頭を下げた。
正直、この場から逃げ出したい気持ちで一杯だった。
初めて絡む原作キャラが鶴見 篤四郎という、が思う原作でも何を考えているのか分からないキャラランキングでトップクラスだからだ。
(せめてはじめて絡むキャラは単純なキャラが良かった…………!!)
は奇声を発したり、緊張すると早口の薩摩弁が出る某少尉を思い浮かべた。