第13章 かしゅがやま
次の日の朝。
(さて...あの人達に何て説明しようか...)
佐助の目の前には、
「ぴーかーちゅ?」
「かり?」
「こぉん?」
「ぴか♪」
「かり♪」
「こん♪」
自身の相棒であるピカチュウとカリキリ、そして見慣れないRFロコン...基、雪月が遊んでいる光景が。
(一番話が通じそうなのはやっぱり幸村かな...信玄様は何か危ない匂いがするし、謙信様なんて論外だし...)
と、自らの主をなんだと思っているんだと思わず言いたくなるようなことを考えている佐助。
「雪月ちゃn「おー佐助、起きてるか?」幸村?!」
「こぉん?!」
まさかの幸村の登場に珍しくポーカーフェイスが崩れる佐助。見知らぬ人間の登場に慌てて佐助の後ろに隠れるポケモン状態の雪月。
「何だよ佐助...お前、後ろの白いの何だ?んなぽけもん居たっけか?」
「あー...それh「佐助、居るか」「佐助、居るかい?」謙信様、信玄様...」
何と間が悪いことか。
幸村だけでなく、謙信と信玄まで来てしまったのだ。
...佐助は腹を括ることにした。
「...えーっと、取り敢えず、皆さん落ち着いて聞いて下さい」
「何だよ、突然改まって」
「この子についてです」
佐助は自分の背中に引っ付いていたRFロコンを3人に見えるように抱っこした。
「その子は?」
「この子は雪月ちゃん。信長様から預かって来ました」
「...あ?」
「...え?」
「...は?」
「「えええええぇぇぇぇぇぇぇ?!?!」」
春日山の空に、武田主従の叫び声が響き渡った。
「...佐助、それはどういうことだ?返答次第では斬る」
「謙信様、どうどう」
「成程、斬られたいのだな、承知した」
すらりと刀を抜き放つ謙信。
「まぁ待てよ謙信。まずは佐助の話を聞いてみようじゃないか」
(信玄様...!)
さっきは酷いこと考えてすみません、と佐助は内心で謝った。
「まず、俺がここに来たときに『探し物がある』と言ったのを覚えていますか?」
「あぁ、確かに言っていたが、まさかその狐がそうなのか?」
「はい。雪月ちゃん、」
「こぉん?」
「人間の姿に戻れるかな?」
「......」
佐助の言葉にロコンは一瞬戸惑ったようだったが、やがて音もたてずにその姿を変えた。