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ゆるやかな速度で

第4章 3.再会


私は自分の行いにようやく気が付いてカッと顔から火が出てしまいそうなぐらいに熱くなるのを感じた。

「ごめんなさい!」

そう言って私は周囲の生徒にぺこぺこと頭をさげ謝罪をしながら正門から一旦学校内へと移動する。
金太郎くんにも歩きにくいからとお願いして離れてもらった。
学校内の敷地に入り直してから私は改めて白石くんにお礼を述べた。

「あ、あの…白石くん、指摘してくれてありがとう」
「別に構わへんよ。それにしても驚いたわ。知り合いなん?」

私がしどろもどろにお礼を言うと、白石くんは私と金太郎くんを見て不思議そうに質問する。
私は頷いて白石くんの質問を肯定する。
そして金太郎くんと私の出会いについて触れる。

「私がね小学生だった時に遥斗と一緒に助けてもらったの」
「そないなことしたっけ?」

私がそう言うと、そんな風に不思議そうに言う金太郎くんにクスリと笑ってしまう。
きっと彼にとっては、ほんの些細な出来事だったのだろう。
でも私はあの時に確かに助けてもらったのだ。


幼い遥斗を連れて公園にやってきた小学生の私はその時とても困っていた。
いつも一緒に遊んでいる綾子ちゃんは家の用事で今日の放課後は遊ぶことが出来ず、私と遥斗だけで公園に来ていた。

公園に来て砂場で2人で遊んでいたまではとても平和だった。
でもいつの間にか私と同い年ぐらいの少年たちに砂場は俺達がこれから専有するから出てけと言われてしまい困ってしまう。
遥斗はまだ遊び足りない様で嫌だと反論する。
私もしどろもどろに一緒に使わせて欲しいとお願いしてみたが少年たちは納得がいかない様で砂場で口論となってしまった。

震える手と足で必死に遥斗を庇うが私もどうして良いか分からなくなってきてしまっていた時だった。
そこに金太郎くんが突っ込んできたのは。
言葉通り、少年たちに突進して来たので私と遥斗は最初に何が起こったか分からず、唖然としてしまう。
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