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ゆるやかな速度で

第15章 13.距離


「あと…その…平気なん?」

白石くんの言葉に私は言葉が詰まる。
自分で言った言葉だったけれど、私自身も今自然と口に出して驚いてしまった言葉だからだ。
なんで白石くんは平気なのだろうか?
彼が優しいから?それとも……?
でも今の私にはその解答を私自身でさえ持ち合わせていなかった。

「うん…。私もなんでかは分からないけれど…白石くんは…嫌じゃないの」

私の言葉に白石くんは驚いた表情を一瞬してから嬉しそうに笑う。

「さよか。なら良かったわ」

そう言って笑った白石くんの笑顔が眩しくて、私の胸が大きく飛び跳ねた。
それがもしかしたら解答なのかもしれないけれど、今の私にはそれがただ彼の笑顔が眩しくて驚いただけなのか、それとも別の感情なのかは分からなかったのだった――。


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