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女信長───おなごのぶなが───

第3章 織田信秀 ──うつけの父上──


 ───お前達の縁談はこうして整ったのだ。
 信秀はそういって、話を終えた。暫し沈黙が部屋をつつむ。驚いた信長だったが、落ち着くよう心掛け、口を開く。
「・・・・・・それで父上と道三殿は、俺と帰蝶の縁談を?───最初から、こうなるだろう、と?」

 
「さぁ。お前達が良い夫婦になるかどうか、は唯の予想であったからな。───それに、俺達の望みでもあった。友と同盟を組みたい、とな。まぁ、仲良くやっているようで安心した。」

 そう言って信秀はにやりと、口角を上げた。
 信長の幼い時から変わらぬ、“父親„としての笑みだ。いい夫婦になれよ、と言葉を添えて。

 信長は信秀の言葉に、「はい」とだけ返した。
 言葉は素っ気なくとも、この親子の会話には、心が込められていた。
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