第3章 織田信秀 ──うつけの父上──
酒をのみながらだと、敵同士でも───俺と道三の場合は、敵同士だからこそ、だな───話せることがあった。
俺はその時悩んでいた、お前の事について話した。道三は、お前が女だという事を知っていたからな。────そして、俺も濃殿の事情を知っていた。
俺達が話したのは、子供の縁談について、だ。
お前の伴侶をどうすべきか、悩んでいた所だったからな。
それに、俺は、いや、俺と道三は考えていた。考えていたと言うより、“直感„と言った方がいいか?
互いに似た境遇のお前達、結構いい夫婦になるんじゃないか、とな・・・・・・