• テキストサイズ

君が光に変えていく

第1章 邂逅。


だからこれは、心からの本音
「別に気にしなくていいよ、直接君のせいって訳じゃないんだし。君もビックリしたでしょう、自分ではマンガの中の人間だった人が、突然現れるなんて」
おどけるように彼は言う。
その言葉に、涙が出そうになる。
違いますって言いたい。貴方達はずっと、私の中で紙面上の存在なんかじゃなかったって言いたい。でも言えないんだ。だってどれだけ言葉を紡ごうと、紙面上でしか見えていなかったのだから、それは紛れもない紙面上の存在なのだ、いくら感情が否定しても
「ありがとう、ございます。...宜しければ、ここに住みませんか?あまり広くないし、一部屋くらいしかスペースはありませんが。」
多分このまま放り出されても、彼らは路頭に迷う。私に針を刺そうとしなかった所をみるに、念も使えないのだろう。
幸い一部屋程度ならあまりはある、あとはリビングと私の部屋。グッズはほとんど実家に置いてきて、本くらいしか部屋にないので、幸いスペースはまだあるのです。
ていうか、今日...休みでよかった
「いいの?」
素直に聞いてくるシャルナークに可愛いなぁ、相変わらず。生だともっと可愛いな..なんて思いつつ答える
「はい、ここでは働くにもネットカフェを借りるにも身分証、戸籍がいります。お二人は戸籍がありませんし、第一、HUNTER × HUNTERという作品の知名度が高すぎて今のまま出ればマスコミや科学者だの霊能者だのがわらわらと集まりかねませんし、とにかく大騒ぎになります。そうするとお二人も身動きが取れなくなるでしょう。それは私としても避けたい。そうすると一番いいのは基本ここで過ごしてもらって、帰る手がかりを探しつつ、通販でこちらの服を揃えて、変装してもらうという方法が、1番多分やりやすいと思うんです。最終的な判断は委ねますが、1日3食の食事、ネット環境にできる限りの服と日用品は全て揃えます。どうですか?」
(正直..願ってもない話だ。でも、彼女がそこまでする理由はなんだろう。この部屋や、広さや、周りの家具を見るに、決して裕福な訳では無い。貧乏という訳でも無いだろうが、大の男2人を抱えて1人働いて養うというのは..そこまで簡単だっただろうか)
「そこまでする理由は、なに?」
思わず口に出す。多分ここで黙って頷いていれば、彼女は笑顔で受け入れただろう。
だが、どうしても聞いておきたかった
/ 10ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp