第7章 妖討伐(2)
痛みで動きが鈍るのを確認すると、私は大男と少し距離を置いて木刀を地面に突き刺した。懐から取り出した霊符を矢に突き刺すと、弓を構える。
大男は怒りで顔を歪ませながら私に向かって襲いかかってくるが、私は躊躇うことなく矢を放つ。
矢は飛びながら刺した霊符と共に白く輝き、まるで流星のように尾を引きながら一直線に大男の胸に突き刺さった。
稲妻が走るように、白い光が闇を破るように駆け抜け、大男の絶叫を耳にしながら、弓を腕に通して強く柏手を打つ。
「地に眠りし者よ、待つ者来られたし。その場を荒らす者は枯れ、人ならざるものは連れ還られよ」
《グァァァアアアアアアッ‼》
矢が刺さったところから大男が灰となって崩れていく。その灰は夜風に乗って天高く舞い上がっていった。
(…安らかに眠れ……)
しばらく呆然と私は舞い上がった灰と夜空を見上げていたが、突然身体から力が抜けた。
(…あ…れ……?)
同時に眩暈がして視界が回り始める。
夜の森の囁きがどんどん聞こえなくなる。冷たい地面に崩れ落ちた時には、私は意識を手放していた。