第4章 犬のきもち
授業が始まっても考えるのははーちゃんのことばかりで
ため息ばかり吐いてしまう
窓から外を見ても今日は曇りで
心と同じく晴れやかじゃない
遠くの校舎では渡り廊下を渡る人達が見える
『あ…はーちゃん。』
風に切った髪が靡いて綺麗だった
絵画みたいで見惚れてしまった
そのあとは
スローモーションみたいに校舎のドアにはーちゃんが吸い込まれて
俺はイスから勢いよく立っていた
『鳳?どした…?』
『ごめん!具合悪いから保健室!』
そう叫んで廊下に駆け出してた
会いたい
話したい
なんでもいいから
ただそばにいたい
わがままかもしんないけど
すぐ恋人なんて
そんな風に切り替えらんないけど
ただ今は
会いたい
君に