第2章 ご近所付き合いは良好に
黒尾くんとの窓越しの会話が終わってから数分、放心状態だった私は何とか平常心を取り戻しつつあった。
(とりあえず、一旦落ち着いて整理すると、もしかして私ハイキューの世界にトリップしちゃった!?
いや、やっぱりめちゃくちゃリアルな夢なんじゃ…。
うーん、でもまぁ夢がさめるまで楽しめばいいか!)
そんな風に楽観的に考えて10時までにご近所さんに挨拶に行けるように支度を始めた。
まさか、この世界で何年も先の未来まで生きていくなんて思ってもいなかった…。
そして、10時ちょっと前。
一階に降りていくと母親?(→もう、まどろっこしいのでお母さん!)に声をかける。
「支度できたよー」
(あっ、なんか楽しもうって開き直ったら普通にできるかも!)
母「よし、じゃあ行こうか。挨拶ついでに配るタオル持ってー。」
「はーい」
そして、右隣りのお家から挨拶していく。
優しそうなご年配の夫婦が「よろしくねー」なんて声をかけてくれた。
母「私、何かと出張が多い仕事でして。娘が1人で家にいることが多いと思いますので。ご迷惑かもしれませんが気にかけていただけると幸いです…」
ご年配夫婦「あらっ、それは寂しいわね!もちろんよ。
それにいつでもうちにいらっしゃい。」
「ありがとうございます!」
(……っえ?まじか!そうなのか!まぁ母親とはいえ実際は見ず知らずの人だし一緒に生活は不安だったけど、家にほぼ1人も不安だよー!)
そして、順番に挨拶していって目の前の家の番。
表札を見ると
(…孤爪?ってもしかて!!)
孤爪母?「あら、新しいお向かいさんですね!よろしくお願いします!」
中から出てきた女の人は私を見ると
「可愛いらしい娘さんですね。うちにもたぶん同じくらいの今年中学3年の息子がいるんです。仲良くしてやってくださいね。」
(可愛いらしい!?……ってそこじゃなくて!
中3の息子ってことはやっぱり研磨だよね?)
「はい。もちろんです!よろしくお願いします!」
その後母親がまた出張の話をして、いつでもいらっしゃいなんて言ってもらったからもしかすると、研磨とご飯を食べる日が来るかもしれない…なんて少しワクワクしてしまった。
そして、最後に左隣
表札には『黒尾』