第2章 ご近所付き合いは良好に
動揺している私とは反対に落ち着いた様子の彼はペコっと頭を下げると口パクで何かを伝えようとしている。
「あ・け・て…?あっ、はい!」
私は急いで窓を開ける。
クロ?「どーも、おはようございます。」
「お、おはようございます!」
クロ?「そんな緊張しないでくださいよ。はじめまして。新しいお隣さんですよね。俺は黒尾鉄朗です。よろしくお願いします。」
(やっぱり、クロだー!?っえ!?てことはもしかして私……
ハイキューの世界にトリップ!!??)
黒尾「えーっと、聞こえてます?」
「あっ、はい!私は古賀夏音です!よろしくお願いします!」
黒尾「古賀夏音っね、家族ぐるみの付き合いになるだろうし、夏音ちゃんでいい?」
「はい、もちろん!えっとじゃあ私は…鉄朗さん?」
黒尾「っぷ、なんで、さん!?そんなかしこまらなくってもいいのに。ちょっとのぞき見したみたいで悪いんだけどその机の上にあるの音駒の制服だろ?もしかして今年入学?」
「えっとー、そうみたい?」
黒尾「そうみたいって…笑
だとしたら俺ら同級生。ってことでやっぱ夏音って呼ぶわ。そっちも好きによんで。」
「えっ、あ、うん。わかった。黒尾くん。」
黒尾「…えー。なんで苗字よびー?」
「だ、だって、黒尾くんって感じがするなって」
黒尾「ぷっ、なにそれ。まぁいいや、慣れてきたら名前で呼んで。あーでも確かに俺のことクロとか黒尾って呼ぶ奴多いかも…」
(わー!!だって別世界で黒尾って呼んでたからとか口が裂けても言えないよー!)
「じゃあ、黒尾くん!改めてよろしくお願いします!」
黒尾「おう、こちらこそよろしく。夏音」
そう言って笑った黒尾君の笑顔は画面越しにみる彼よりも何倍もカッコよかった。